大英博物館が100倍楽しくなる見どころ紹介特集!②【大英博物館編】

第2章 これだけは見ておきたい必見エリア!復元展示とは!?

ここで質問です!
大英博物館といえば、なにを思い浮かべますか?

古代エジプトのミイラです!
あとは世界史の教科書にも載っていた
ロゼッタストーンですね!

でもそれ以外は
何があるのかよくわからないです……

もちろん、ミイラもロゼッタストーンも大英博物館を代表する有名な展示品です。
それらが展示されている部屋では、いつも多くの人で賑わっています。

しかし、大英博物館にしかない魅力があります!
それは、遺跡の内部の壁画や神殿の装飾が
そのまま再現されている展示がいくつもあるというところです!

例えば古代オリエント時代のアッシリア神殿の展示です。
紀元前9世紀ごろに建設されたものだと考えられています。

大きな木の扉もありますね!

そうなんです!
この扉は、もともとの高さだと推測される
7mの高さになるように修善を施したそうです。

横の通路部屋に展示されている壁画には
当時の戦いの様子、ライオン狩りなどが彫られています。

この時代はライオンが野生動物だったんだ!!

国の外はとても危険だったのだとわかりますね。

ちなみにこの像は、
アラドラムもしくはラマッシュと呼ばれていて、
アッシリアの守護獣神とされています。

メソポタミア地域では紀元前6世紀ごろまで、
この人の頭と翼を持つ雄牛というのは普遍的なモチーフで、
神殿の入り口などによく使われたモチーフだそうです。

お次は、誰でも一度は聞いたことのあるパルテノン神殿!
神殿の模型や解説、実寸大の内部装飾を再現した展示部屋です。

今では廃墟と化してしまっているパルテノン神殿。

もともとはギリシャのポリス・アテネに建てられた
女神アテネのための神殿です。

もともとはギリシャに乗り込んできた
ペルシャとの戦争のための軍資金を集めていました(デロス同盟)。
しかし、そのときに古い神殿が破壊されてしまったので、
その軍資金を使ってパルテノン神殿を新しく建てた
と言われています。

そんな裏話があったんですね!

しかし、紀元後には戦争に巻き込まれて大部分が破壊されてしまいました。

そこで文化財保護のため、
19世紀初頭にイギリス政府がパルテノン神殿の彫刻を買取り、
大英博物館に収められたという経緯があります。

この展示室では、模型で太陽光の当たり方を再現したり、
どのような装飾が施されていたのかを間近で見ることができます。

彫刻には、ギリシャ神話の内容が彫られています。
巨人族との戦いやトロイア戦争などですね。

こちらはギリシャの神々の彫刻です。

実際にみてみると、その大きさと規模に驚かされますね!

古代エジプトのお墓も見逃せないポイントです!

ここでは、紀元前2686年頃から続く、古代エジプト王朝時代に建設されたピラミッドから発掘された棺や彫刻、柱や壁画の展示があります。

ピラミッドに必ず設置されたという偽のドアの展示もありますね!

本来このドアは、死者の魂の出入り口として作られたものです

見るだけでもワクワクしますね!

アジア圏も負けていません!
こちらは、アマラーヴァティーの彫刻。
サータヴァーハナ朝(紀元前1世紀〜紀元後3世紀)時代に作られたものです。
インド関連スペースに展示されているストゥーパ(仏塔)です。

ガラス張りで外から見えるようになっています。

狛犬のような像があって、なんだか親近感が湧きますね

本来はドーム状の建物になっていて、
ブッダ誕生の話などが彫られた彫刻で埋め尽くされていたと言われています。

世界各地の遺跡があっておもしろいですね!

歴史が苦手という方も十分楽しめる展示になっています。
実際に石の匂いや、大きさを体感できるので、是非足を運んでみてください!

こんなにもじっくりと見ることのできる博物館は
他にないですよね!!しかも無料!!

大英博物館に行ってみて、いろいろな国に興味が湧きました!
ギリシャ旅行のプランを立てています!

〜コラム 展示品も里帰り?!文化財所有権の行方〜
前回の紹介でもふれた通り、大英博物館のコレクションの多くは海外で古代遺跡を発掘する貴族の流行によって集められたものです。
これらのコレクションは盗掘や強奪だった場合もあれば、買い取って収集したものもあります。当時は、国際間での取引に関する条例が制定されていなかったので、絶滅危惧種である植物や動物の加工品などが横行していました。
そこで20世紀になり、文化財に関する保護法が制定されました。1948年以降、文化遺産や自然保護のための条約が見直され、1970年に採択されたユネスコ条約により文化財の売買の規制が厳しくなりました。
しかしこの条約は、条約以前に取得された文化財は対象外となります。
そこで自国の文化財の所有権を取り戻すべく、エジプトなどの諸国が世界各国の博物館にはたらきかけ、無事に返還されたということもあります。
逆に、里帰りができない文化財もあります。
地震や風化、環境汚染などによって保存が難しい地域であったり、その国が文化財を適切に保管できるだけの財力や施設がないと判断されれば却下されてしまいます。
このような環境による要因は深刻で、大英博物館に所蔵されなければ失われていた可能性の高い文化財がたくさんあると言われています。 
この、文化財の所有権の問題については今もなお続いています。
例えばギリシャのパルテノン神殿などの古い時代に建てられたものは、戦争によって破壊された歴史があります。そうした被害によって文化財を永遠に失うことを防げたのも、収集家のおかげと言えるでしょう。
知らない間に、もともとの国に返還されてもう見ることができない、なんてことにもなりかねません。
「あの時見ておけばよかった!」と後悔することないよう、見れるうちにみておきましょう!


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